
それは結婚前、僕たちが付き合い始めた頃のことでした。「そのカツラ、少し不自然じゃない?」。彼女は僕の頭髪に視線を落とすと、正直にアドバイスしてくれたのです。確かに以前着用していた製品は、決して「はえぎわ」が自然と言えるものじゃなかったし、毛流れも一方向、ヘアスタイルにもおのずと限界がありました。でも、ひと目でカツラ着用を見破られるほどでは。と、ひそかな期待をもっていたのです。それがもろくも崩れ去ったのでした。
以前着用していたのは、毛髪製品を自分の残っている髪数箇所に接着剤で固めるタイプでした。弱点は強い風が吹くとズレる心配があること。だから自転車にさえ乗ることが出来なかった。もちろん、スポーツなんかまったく無理。僕はむかし水泳の選手でしたが、カツラをつけてからは一度も泳いだことはありませんでした。

カツラを着用する以上、不自由な思いをするのは仕方ないのか。半ばあきらめていたところに、妻がスヴェンソンのことを教えてくれたのです。スヴェンソン!?聞いたこともないメーカーですが、僕のカツラをひと目で見破った彼女です。彼女の勧めに賭けてみることにしました。
スヴェンソンのスタジオでの初めての編み込み体験。多少の戸惑いはありましたが、装着した瞬間、今までにない安堵感を覚えました。
まさに、ズレない蒸れない外れない。これならスポーツだってできそう。
それに毛量も少なくて軽いし、自毛感覚でヘアスタイルも自由自在なのです。
僕は嬉しくなるとともに、だんだん自信を取り戻していました。
僕のオフィスでは週始めにみんなの前で一人ひとり挨拶するのが恒例です。スヴェンソンにして最初の出勤日、僕は全員の前で思い切って公表しました。「今日からスヴェンソンという新しいカツラを着けてきました」って。
すると、「今度のは自然だね。前のカツラより、全然いいよ」。全員がにこやかに、あたたかい感想をくれるではありませんか。カツラのことは内緒にしてたのに、やはり、みんなにもわかっていたのです。
僕が堂々と公表できたのは、自分に自信がもてたからです。もし、不自然極まりないカツラの着用を告白されたら、相手も戸惑うでしょう。でも、どう見たって自然。もう突風が吹こうが怖くないし、水泳だって自由にできる。だったら隠すことをやめて、堂々と公表してしまおう。そう思えたのです。いろいろ紆余曲折がありましたが、スヴェンソンに出逢えて自信の増毛生活を手に入れることができました。
今ではスヴェンソンに、そして何より、妻に「ありがとう」を言いたいですね。
主人の以前の増毛製品は、何か不自然で確かにバレバレでしたね。ヘアスタイルはいつも同じで、妙に固まった感じでした。それに、海やプールに誘っても一緒に行くことは一度もなかった。それが、今では海やプールに家族みんなでどんどん行けます。この変わりようは、私たち家族にとってもかけがえのないものなんです。

うちはオープンなので主人の増毛のことは子供も知っています。主人が増毛していない姿を子供に見せたときは、さすがにびっくりしたようです。
でも、つけてたほうがパパはかっこいい、と子供も認めていますね。それに、一緒に外出して子供の友だちに偶然に逢ったときや授業参観のときを考えると、やっぱり、パパはかっこいい存在でいてほしい。パパの増毛は、子供にとってもうれしいみたいですね。